健診で言葉が遅いって言われたけど、なにが問題なの?なんで受診するの?

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病院やクリニックで受ける4ヶ月健診や9・10ヶ月の健診が終わると、次の健診は1歳半健診と3才児健診があります。
岡崎市では、げんき館での集団健診になりますが、それぞれ、1歳7~8ヶ月と3歳3~4ヶ月が対象になり、対象の年齢が近くなったらお知らせが届きますので、受け忘れがないようにしてくださいね。
そこでは岡崎市の小児科の医師が当番制で健診を行うのですが、中には「ちょっと気になるから、かかりつけの小児科に相談してね」と言われてしまうことがあります。
当院・しいの木こどもクリニックも、かかりつけ医として健診で指摘のあったお子さんのフォローも行っているのですが、最近「言葉の発達がゆっくりです」「あーあーなど声は出ますが、単語が出ません」というような言葉のことについて指摘されて紹介状が出されるお子さんが、個人的にですが、多いように思います。
お母さんたちからすると、「えっ、言葉の発達がゆっくりだと何がいけないの?」「何か問題でもあるの?」と、びっくりしてしまいますよね。
当院でも、「今まで全然気にしてなかったから、健診で言われて、びっくりしちゃって…」と、心配そうに受診されるお母さんもいらっしゃいました。
そこで今回は、健診(特に1歳半健診)で言葉の発達について指摘があった時、どういった問題があるのか、どうしてかかりつけ医への受診が勧められるのかについてお話していきますね。

言葉の発達がゆっくりだと、どんな問題があるの?

言葉の発達がゆっくりでも、それだけですぐに問題があるというわけではありません。
しかし、言葉の発達がゆっくりな子の中に、発達障害(自閉症スペクトラム障害など)のお子さんが含まれることもあるので、健診で指摘されてしまうんです。
言葉の発達がゆっくりな子は、だいたい大きく4パターンに別れます。
1つめが、『環境的に言葉を話す必要性を感じていない場合』です。
これは、本当に言葉が出てくるのがゆっくりというだけのパターンです。
このパターンでは、「単に物の名前などの単語を知っているけど言わないだけ」などの問題のない場合が多いです。「周りの言葉は理解している様子があるけど、言葉は出ません」という内容で紹介状が送られてくることもあります。
よくあるのが、「あー」とか「んっ」と言ってほしいものを指差すと周りの大人やお兄ちゃん・お姉ちゃんが「コップが欲しいのね」「スプーン取って欲しいんだね」と察して渡したりするので、本人はコップやスプーンと言わなくても済んでしまうので、単語として出てこないパターンです。
この場合は、言葉の発達が進んでいけば問題ないと判断されます。
2つめは『中耳炎などを繰り返していて耳の聞こえが悪い場合』です。
新生児の頃の聴力検査で異常がなくても、今までに何回も中耳炎などの耳の病気を繰り返していると、耳の聞こえが悪くなっている子がたまに居ます。
この場合、聞こえ方が悪いので、ぼやーんとした感じに聞こえてしまい(例えば『バナナ』が『ナナナ』に聞こえたり)、本人は聞こえた通りに話すので「ちゃんとした単語としては話せてない」と判断されてしまいます。この場合は、耳鼻科で中耳炎の治療を行ったりして、聞こえ方が改善すると言葉の問題も解決する事が多いです。
3つめが『発達遅延』、4つめが『発達障害』と言われるものです。
ここで注意してもらいたいのが、『発達遅延』と『発達障害』は同じではないということです。
発達遅延は、発達が全般的にゆっくりであることを指します。言葉だけでなく、歩いたりなど身体の発達もゆっくりであることが多いです。
発達障害は、全体的な発達は順調に進んでいても、発達にムラがあることを指します。たとえば、運動系の発達は順調でも、他人とのコミュニケーションの発達はゆっくりだったり、と発達にムラがみられることなどがあります。
「言葉の発達がゆっくり」と一言で言っても、その原因は色々ありますし、健診の限られた時間の中だけでは原因の判断ができません。
もちろん、長い目でみて問題のない1つめや2つめの場合も多いのですが、中には発達障害の可能性のあるお子さんも含まれているため、そういった場合は早期に気づいてフォローした方がいいため、健診では指摘されるポイントになっています。
なので「健診で指摘されちゃった…」とショックを受ける方もいるかもしれませんが、この時点では「何か問題がある」と決まったわけではありませんので、そんなに心配しないでくださいね。

どうしてかかりつけ医への受診が勧められるの?

以前、当ブログでもお伝えしましたが、発達に問題があるかどうかというのは、ぱっと見てすぐわかるものではありません。
なので、「健診の時はこういう状態でした」という内容や、今までの受診の時の様子など、総合的に診ていく必要があります。
また、当院をかかりつけにしてくれているお子さんでも、1回診ただけでは判断ができないので、しばらくの間は定期的に受診してもらって、お家での様子や、通園・通所しているお子さんなら園や託児所での様子などを聞いて、慎重に判断していく必要があります。
数回、発達のご相談で受診してもらって、話せる単語も増えてきたし、他にお家の方としても病院としても気になる部分もないので「本当にただゆっくりなだけだったね」で終わるお子さんもいます。
しかし中には、言葉は出てきたけど、こだわりが強すぎたり、かんしゃくがひどかったり、周囲への関心がなかったりなど、お家の方や、園の先生も困ることが出てきたりすると「もうしばらく定期的に受診してください」となるお子さんもいます。
自宅や園での様子、お家の方や園の先生の困り具合などから、必要であれば、発達センターなど他の医療機関への紹介も考慮する場合もあります。
そういった長期的なフォローをしていくためにも、お子さんの事をよく知っているかかりつけ医を受診して、経過を見ていくことが勧められます。

まとめ

健診で言葉の発達に関する紹介状が出て、かかりつけ医を受診しなかったからといってお子さんの生命に関わるようなことではありませんし、「絶対に受診しないとダメです!」という拘束力もありません。
本当に、ただただ言葉の発達がゆっくりなだけで、何の問題もないこともあります。
しかし「うちの子は普通!問題なんてあるはずない!」と、最初から何もかもを突っぱねてしまうと、もしフォローが必要だった場合、そのスタートが遅れてしまう事もあります。
「そういう意見もあるのね」くらいに受け取って、何かご家族の方でも気になったり、困ったりする事があれば受診や相談をする、という感じに思ってもらうといいかな、と思います。