ロタウイルスのワクチンって?効果は?気を付けることはあるの?

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毎年、寒くなってくると流行する胃腸風邪。原因はいろいろありますが、そのうちの一つに『ロタウイルス』というものがあります。
このロタウイルスに効果のあるワクチンがあることをご存知でしょうか?
生後6週から接種できるワクチンで、岡崎市では任意接種ですが一部補助が出るため、生後2ヶ月から接種できるワクチン(ヒブや肺炎球菌など)の接種券と一緒に、補助券が送られてきます。
「補助が出ても、結局はお金がかかるんでしょ?だったら受けなくても…」と思われる方もいるかもしれませんが、何回も当ブロクでお伝えしているように、任意接種であっても、ロタのワクチンも大切な予防接種です。
…本当に何回も言っているので、もう耳にタコができてしまった方もいるかもしれませんね(´∀`;)
あっ、『耳にタコができる』って、通じますかね?大丈夫?(;´Д`)
そこで、今回はロタウイルスのワクチンについて、効果や、気をつけることについてお話していきますね。

ロタウイルスのワクチンって?効果は?

ロタウイルスのワクチンは、ロタウイルスの感染による胃腸炎や、脳炎などの重い合併症を予防するもので、お口から飲むワクチンになります。
嘔吐や下痢などの胃腸炎症状を防いだり、軽くしたりして、入院になってしまうような重症例を約90%減らす事ができると言われています。また、重症化を防ぐことで、脳炎などの合併症を防ぐこともできます。
胃腸炎の中でも、特にロタウイルスは重症化しやすいウイルスの1つと言われています。胃腸炎の予防には手洗いが重要と言われていますが、それだけでは予防しきれません。根本的な治療法もないため、ワクチンの接種が重要になってきます。
もし、万が一入院になってしまうと、医療費は子ども医療費受給者証でまかなえるかもしれませんが、入院になると、ほとんどの病院では家族の付き添いが必要になります。
付き添いのためには、共働きの家庭が多い今はお父さんかお母さんのどちらか、あるいは両方が、お仕事を休んだりしなければならないですよね。
胃腸炎での入院は、長いと1周間くらいかかる場合もありますし、退院してもすぐに園に預けたりできず、こんどは自宅で看病をするためにまた仕事を休むことになるかもしれません。
下痢が頻回なのでおむつも何回も替える必要がありますし、吐いた物で布団やシーツを交換したり、汚れがひどい時には買い換えないといけなかったり…。
そういった諸々の損失は、10数万円にもなるという研究結果もあります。
うん、明らかに、ワクチンの料金よりも高いですよね…(-_-;)
あと、これは数年前に院長先生が体験した事なのですが、とあるご家庭で胃腸炎が流行してしまい、ご両親は毎日内科に通って点滴をして、上のお兄ちゃんは入院まではいかなかったけれど数日間下痢が続いてぐったりしている中、一番下の弟だけは軽くすんでケロっとしていた、という事がありました。
不思議に思ってカルテを見返してみると、弟はロタのワクチンを接種していましたが、お兄ちゃんの頃はまだロタのワクチンがなかったので接種していなかった、という事が分かりました。
「ロタのワクチンを接種するのとしないのでは、こんなに違うのか!」と先生は思い、今まで以上にロタワクチンの接種を推奨するようになったそうです。
もちろん、これはあくまで一例でしかないのですが、ワクチンの効果の例として、お伝えさせていただきました。
胃腸炎になると、点滴などで脱水を防いだり、吐き気を抑えたりする事はできますが、根本的にはウイルスなどの原因を出しきる事でしか良くなりません。
私も2年ほど前の冬に、ロタかどうかは不明ですがけっこうひどい胃腸炎になり、2~3日は吐き気と頻回な下痢が続いて参ってしまったことがありました。大げさですが「もう無理や…死ぬんちゃうこれ…」と、ちょっと本気で思うくらいにはしんどかったですね(;´∀`)
いい大人ですら、こんなにもしんどくて辛いので、お子さんにはこんな辛い思いをさせたくないですよね。
そのためには、やはりワクチンの接種が重要になってきます。

ロタワクチンの接種で気をつける事はあるの?

ロタワクチンを接種するにあたって気をつけてもらいたい事は、『ロタワクチンが接種できる期間(週数)が決まっている』という事です。
現在、日本国内では2種類のロタのワクチンがありますが、どちらも『遅くても生後14週6日までに1回目の接種をすること』と決められています。14週6日というと、だいたい3ヶ月の半ばですね。
ロタのワクチンの1つは、「ロタリックス」という2回接種のワクチンで、こちらは2回目を『生後24週までに接種する』と決められていて、24週以降は接種できなくなります。
当院・しいの木こどもクリニックでは、この「ロタリックス」を使用しています。
もう1つのワクチンは、「ロタテック」という3回接種のワクチンで、こちらも3回目を『生後32週までに接種する』と決められていて、32週以降は接種できなくなります。
どうしてこんなに期限が短いのかというと、年齢(月齢)が高くなるとロタのワクチンを接種した後に『腸重積症』が起こるリスクがあるからです。
『腸重積症』については、詳しくはこちらを見てくださいね。
 
他のワクチンは、生後4ヶ月や5ヶ月など多少遅くなっても接種できますが、ロタのワクチンだけは、後から「やっぱり接種したい」と思っても接種ができないので、注意してくださいね。
また、ワクチンの接種回数がワクチンによって2回・3回と異なるため、決められた回数を接種してください。ロタリックスとロタテックに互換性はないので、最初に接種したワクチンで残りも接種してくださいね。
ロタの胃腸炎は1回目もしくは2回目にかかった時に重症化しやすいため、予防接種で1回目・2回目を軽くかかったと思わせて、実際のロタの胃腸炎にかかった時に重症化しないようにするため、複数回接種する必要があります。
あとは、ロタのワクチンは生後6週から接種できますが、生ワクチンなので受けると4週間は他のワクチンが接種できなくなってしまいます。そうすると、生後2ヶ月から接種できるワクチンの接種が少し遅くなってしまいます。
そのため、生後2ヶ月から接種できるヒブや肺炎球菌などの他のワクチンとの同時接種が推奨されています。
当院も、ワクチンのデビューは生後2ヶ月からの同時接種を推奨しています。また、『プランニング』というワクチンのスケジュールを組むことも行っていますので、よろしければそのシステムを活用してくださいね。

まとめ

経済や産業的には、日本は先進国の一つだと思いますが、一方で予防接種に関してはまだまだ先進国とは言えず、他の国々よりも一歩遅れていると言われています。
それは国の政策としてだけでなく、私たちの意識としても、だと思います。
麻疹(はしか)や風疹などの流行がニュースで取り上げられると、『予防接種が重要!』『予防接種を受けましょう!』という言葉がよく聞かれますが、流行が下火になるとその言葉も一緒に消えてしまうような印象を受けます。
そして、「定期接種は受ける」「任意接種は受けない」という考えの方もまだまだいらっしゃると思います。
予防接種に関して、受けなくてもいいものはありません。
ワクチンで予防できる病気は、本当にごく一部です。
その、限られた『予防できる』病気で、重症化してしまったり、重い後遺症が残ってしまったり、命を落としてしまったり、というような、悲しい出来事がひとつでもなくなるように、これからもしいの木こどもクリニックは予防接種の推進を方針として、啓蒙活動を行っていきたいと思っています。